モノクロの世界と『泥の河』(1981・日本)

映画

B級映画、カルト映画好きな方こんばんは。本日はHuluで好きな日本映画を再鑑賞したので、そのご紹介です。B級映画、カルト映画ではないのですが日本の名作『泥の河』監督・小栗康平(1981・日本)でございます。原作は宮本輝ですし、正直言ってメチャクチャ賞をとっていますし、海外の評価も非常に高いです。
なので日本の認知度もっと高くてもいいのになぁ。と思う作品。出演者も田村 高廣、藤田 弓子、加賀 まりこ、とそうそうたるメンバー。こちらがトレーラー。

昭和30年の大阪。安治川の河口で暮らす信雄は両親から、近づいてはいけないといわれた舟に暮らすきょうだいと交流をもつ。きょうだいの母親は船上で売春をして口に糊していた。-Wikipedia

監督は小栗康平。1981年に自主制作作品として公開された。舞台は昭和31年。今の日本とは全く違う世界がそこには広がります。戦後の日本の復興、成長の物凄さを改めて感じてしまうと同時に、昔の日本の風情や町並みの美しさを痛感します。今の日本も素晴らしいけど、昭和初期~中期の日本の雰囲気はなんとも言えない独特さを持っているんですよね。そしてこのモノクロの世界が何故かカラーよりも、モノクロの濃淡が細く見えてくる不思議…

『泥の河』は、主人公の少年が船宿に住む姉弟との交流を経て成長していく姿を描いているのだけれども、その姉弟との交流以外の人間模様もまた素晴らしい映像の撮り方で見せてくれる。どのシーン、シチュエーションを見ても引き込まれる。原作のある映画は映像化が難しいはずなのに、この泥の河は宮本輝の原作を非常にうまく映像にしていて、原作ファンでも十分に満足できる作品だと思います。

演技派の俳優陣と子役の演技がすごすぎる

この映画のすごい所は演技派の俳優陣と共に、オーディションで選ばれた子役の演技のすごさ。これに尽きます。田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ、ものすごい俳優陣と一緒に演技をしているのにまったくもって引けを取らない。有名俳優と子役のやり取り、そういった部分にも注目して見ていただければと思います。ストーリーは決して明るいものではありませんが、少年の成長、泥臭い人間の性、生きていくという事を繊細に描いている素晴らしい作品です。

因みに、こんなにも演技に注目された3人の子役は、その後俳優として活動をしていないそう。これは意外。という事で、本日は『泥の河』をご紹介しました。あ!書き忘れていましたが加賀まりこの美しさも、この映画の魅力です!今も綺麗なんですが、あの頃のお姿も本当に麗しいのです。

 

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